「ひまわり」とのめぐりあい

この前のブログにも書きましたが

先日(3月29日)、半田広宣さんと中山康直さんの、新刊出版記念講演会に行ってきました。

東京での講演会(出版社主催)は、遠すぎて行けないと思っていましたが

大阪(関西ヌーソロジー研究会と観音企画さんの主催)でもやってくれると聞いて

すぐに前売りチケットを購入しました。

「A席011番」・・・さい先のいいチケット番号をいただき、

むふふ・・と一人ほくそ笑んでいました。

 

当日は土曜日で、大阪に住んでいる姉に連絡をとると

うまく都合がついて、三年ぶりに会うことができました。

 

姉の都合に合わせるため、私は朝、予定より一時間早い電車に乗りました。

 

そのおかげで、私は、その日、ステキな方と巡り会うことができました。

 

たまたま隣あわせた女性・・・

私と、普通に会話をしていたのですが

車掌が切符の確認に来た時、意外なことを言ったのです。

「私は、耳が全く聞こえません。」

え?・・・

そんなバカな・・・と思いました。

驚いた私に、彼女はこう言いました。

「顔を見て話すと、唇を読むことができます。

私は30歳で聴力を失ったので、

それまでに覚えた言葉で話すことはできるのです。」

 

私はとっさに、バッグの中からノートとシャーペンを取り出し

筆談に切り替えました。

彼女は、終始にこやかな笑顔で、手話も取り入れながら

たくさんの、本当にたくさんのお話をしてくれました。

 

「たくさんの」というのは、話の種類や時間的なことだけではありません。

電車に一緒に乗っていた90分があっという間に過ぎたのですが

その90分間の会話の中に、幸せがいっぱい詰まっていたのです。

 

30歳で突然聴力を失うということ

「仕事をやめてはいけない」と同僚が励ましてくれて、

仕事をずっと続けたこと

(なんと、彼女は小学校の教師だったのです。

耳が聞こえない状況での仕事がどれほど困難か、

想像に難くありません。)

夫の優しさと理解・・・などなど

苦労話に陥ってもおかしくない状況で

いかに、彼女と彼女の周りの人たちが強く明るく生き抜いてきたか

が、やわらかい春の日差しのような微笑みとともに

彼女の口からあふれていました。

 

現在、彼女は『ひまわり教室』という

耳が不自由な人を支援する教室の主宰をしているそうです。

 

彼女にいただいた名刺には、こう書かれています。

 

☆悩みを出し合える教室

☆心がいやされる教室

☆自信が持てる教室

☆自分の存在価値を見つける教室

☆聞こえない人と聞こえる人をつなぐ教室

 

『ひまわり』は、あかるく、お日様のほうを向いて咲く花

そんな教室にしたいという願いがあるそうです。

 

明るく気さくな方ではありましたが、

いつもはそんなに話をなさらないと言っていました。

 

初対面の私に、心を開いてくださった彼女に感謝です。

 

電車を降りる時、私たちは二度、握手をしました。

彼女の手は、とってもとっても柔らかく、厚みのある手でした。

 

人知の及ばないところで、巡り会いをセッティングしてくれた

見えない存在に、またもや感謝。