2013-07-18 11:03:46
昔むかし、あるところに、二人の僧侶が旅をしておったそうな。
一人は若く、もう一人はそれなりに・・・歳をとっていたそうな。
ある日、二人が野道を歩いていると、突然若い僧侶が穴に落ちてしまった。獣を落とすための穴なのか、誰かがいたずらで掘った穴なのか・・・。それはわからないが、結構な深さの穴であったそうな。
若い僧侶は、自力で這い上がることができず、もう一人の僧侶に手を引っ張ってもらって、ようやく穴から出てきてこう言った。
「こんな所に穴があるから、落ちてしまったではないか。」
すると、年配の僧侶は、カッカッカッと笑ってこう答えたそうな。
「穴がないから落ちたのであろう。穴があれば、誰も落ちはせぬ。」
お・し・ま・い